からくり箱アイデアコンテスト最新入賞作品&応募用紙

2009年より毎年開催されているコンテストです。
箱根で作られてきた「秘密箱」のように、どうにかしないと開かない箱のアイデアを募集します。過去の入賞作品を見る

アイデアコンテストは一年中ご応募いただけます。
応募用紙をダウンロードして、郵送かFAXにてご応募下さい。
応募用紙はこちら。
(PDFファイルが開きます。)

< 第13回 入賞作品 >
2021年の入賞作品の発表です。
どれもこれも、面白いアイデアばかり。
審査員講評も併せてお楽しみ下さい。

 

◇第一次審査審査員◇
小野澤力(角田屋物産店)
黒瀧應司(神奈川新聞社)
坂本忠之(株式会社ハナヤマ)
高島直昭(パズル懇話会)
岩原宏志(からくり創作研究会)

★賞決定投票について★
7月15日~8月31日 
おだわら市民交流センターUMECO・クラフトエイト・関所からくり美術館にて入選作品の
展示を行い、 どの作品がどの賞にふさわしいか投票をしていただきました。
その結果、それぞれの作品が以下のように受賞となりました。


第13回 お気に入り大賞  「からくりたんす」 
  
発案者:今井慎(東京都) 
製作責任者:川島 英明(からくり創作研究会)
観音扉付きの箪笥がモチーフのからくり箱です。
観音扉は開きそうで開かず、引き出しは引けそうで引けません。
さて、どうしましょう?見た目を信じてはいけません。
ツマミが小さいので、開け閉めには少し指先の器用さが必要です。
アイデアコンテストでは過去に2回、箪笥型のからくり箱が作られましたが、
仕掛けは全く違うものになっています。

製作工程はこちらから


第13回 わくわく大賞  「リフトオフ!!」 
  
発案者:櫻井紀(福島県) 
製作責任者:杉本昇(からくり創作研究会)
しかけに関係あるところからないところまで細かい部品が多く手がかかりましたが、
その分説得力のある出来になったと思います。
宇宙に思いを馳せながらからくりをお楽しみください。

製作工程はこちらから

 

第13回 ユニーク大賞  「I want you to help me!」 
  
発案者:宗像健斗(福島県) 
製作責任者:菊池靖明・角田遥(からくり創作研究会)
おやおや、ずいぶんと急な坂道で困っている自転車がいますね。
もはや壁というか、ジャンプ台のようです!
見ているだけでこちらが辛くなってしまいます。
誰か早く助けてあげて!
からくり箱の宿命は、最も苦労した仕掛けの部分を、隠さなくてはならないということでしょう。
この作品も、そのひとつと言えるでしょう。

製作工程はこちらから


第13回 びっくり大賞  「デジタル数字」 
  
発案者:田中陽介(神奈川県) 
製作責任者:加生修(からくり創作研究会)
箱に表示されるデジタル数字が変わりゆくと開くという発案を元に制作しました。
箱の前の三つのつまみを操ると、天板上の数字を作ることができます。
一番最後に完全に引き出しが開いたその奥に、最後の数字が隠されています。
一体何の数字でしょう。色々な数字を表現する事の出来る、とてもテクニカルな作品です。

製作工程はこちらから

第13回 デザイン大賞  「ものゆかし」 
  
発案者:飯島健(神奈川県) 
製作責任者:岩原宏志(からくり創作研究会)
バラの花が咲き、チョウが蜜を吸いにやってくる。
微笑ましく、何となく心ひかれる、そんな風景のワンシーンが作品となりました。
作品は上半分と下半分から作られており、下半分が引出となっています。
当然、鍵が掛かっていますので、バラの花とチョウをうまくつかって開けて下さい。
上半分を少し横にずらせればOKです。
からくりに慣れてくると、作品を逆さまにして鍵を開けようとする方が出てきます。
ですが、ちゃんと「抜け道防止」のロックも仕込みましたので、ご安心ください。

製作工程はこちらから



2021年からくり箱アイデアコンテスト 審査講評

応募アイデアの第一次審査をさせて頂いた5人の審査員の内の一人、高島直昭です。

このたび入賞されました皆様おめでとうございます。

また、展示された作品に関心を持っていただき投票くださった皆様ありがとうございます。そして、アイデアを現実のからくり箱として仕上げてくださったからくり創作研究会の職人の皆様ありがとうございます。 

このアイデアコンテストも今回で13回目、また、からくり創作研究会の主催で行われるようになってから3回目になります。

昨年初頭から新型コロナウィルスの流行が始まってからもう1年半をこえるのにその感染の拡がりは終息に向かうきざしは見られません。それにもかかわらず、全国から合計242件という多数のアイデアを寄せて頂きました。多くの方々が、からくり箱に強い関心を持ってくださったことを大変うれしく思っております。

今回も前回と同様、黒瀧(くろたき)應司(おうじ)、坂本忠之、小野澤(つとむ)、岩原宏志、そして私の5人が審査員として第一次審査を行わせていただきました。その方法は昨年同様、新型コロナウイルス流行の状況を考慮して審査員が自宅等で個別に審査するという方法としました。第一次審査の結果は、詳細設計および製作を担当されるからくり創作研究会の職人の皆さんによる第二次審査に引き継がれて入選作品を決定した次第です。

第一次審査では、応募されたアイデアを、当然ながら誰からの応募作品であるかを知らされずに全部一つずつよく拝見させて頂いて検討しました。応募頂いたのは、完成したからくり箱ではなく、それがどのように動作するのかというアイデアでありました。そこで、第一次審査にあたっては、そのアイデアが他人のまねではないものであることや、一筋縄では開けることができないものであるということだけではなく、それができたら沢山の人が楽しむことができるかどうかも考慮しました。こうして選ばれた作品について職人の皆さんが、それが本当に製作できるものなのかどうかの検討も含んだ第二次審査を行って、前回よりひとつ多い5作品の入選を決め、そして、それを発案者と相談しながらみごとなからくり箱として実現していただきました。

なお、これは毎年申し上げているのですが、入選作品に与えられたいくつもの名前の賞の間には上下の順位はありません。それぞれが、順位の付けられない個性的なすばらしさを持っている作品であります。皆様もその実物に触れて作品のすばらしさ、楽しさを味わっていただきたいと思います。

前回は、入選4作品のうち3作品が若者の作品でしたが、今回は、それとは作者の年齢構成比が異なり、入選5作品のうち40代の応募者の作品が3作品を占め、 10代の若者の作品は2作品となりました。

今年の入選作を特徴付ける3作品の40代の方々の入選作、「からくりたんす」、「デジタル数字」、および「ものゆかし」については、それぞれ特徴のある魅力的な革新的なアイデアの作品ですが、若者の2作品とは異なる趣があります。普段から、からくり箱のアイデアをいろいろ探して、頭の中で十分あたためて、それを応募くださったのではないかと思いました。このことは「デジタル数字」の田中陽介さんが昨年に引き続いて授賞されたことにも現れていると思います。10代の若者の作品は「リフトオフ!!」と「I want you to help me!」ですが、ともに、日常生活で出会ったことにテーマを見つけ、面白いアイデアを作品にしてくださいました。興味深いことに前回の若者の3つの入選作も同じように日常生活で出会ったできごとをテーマしておられました。ここに、プロでもなかなか思いつきにくいようなよいからくり箱のアイデア着想法の秘密の1つが隠されているような気がします。

なお、このコンテストは、4月1日から翌年3月末日までの1年間を応募期間のひと区切りとする常時募集で、普段から考えているアイデアをいつでも応募できます。これからもこれまでにない新しい、そして楽しいアイデアが寄せられることを期待しています。

最後に、このコンテストを支援くださっておられる多くの皆様方に感謝いたしましてこの審査報告を終えたいと思います。

2021年9月1日
髙島直昭