からくり箱アイデアコンテスト最新入賞作品&応募用紙

2009年より毎年開催されているコンテストです。
箱根で作られてきた「秘密箱」のように、どうにかしないと開かない箱のアイデアを募集します。過去の入賞作品を見る

アイデアコンテストは一年中ご応募いただけます。
応募用紙をダウンロードして、郵送かFAXにてご応募下さい。
応募用紙はこちら。
(PDFファイルが開きます。)

< 第12回 入賞作品 >
2020年の入賞作品の発表です。
どれもこれも、面白いアイデアばかり。
審査員講評も併せてお楽しみ下さい。 

★賞決定投票について★
7月14日~8月31日 
入選作品の展示が行われ、 どの作品がどの賞にふさわしいか投票をしていただきました。その結果、それぞれの作品が以下のように受賞となりました。

第12回 ユニーク大賞  「アリの行列」 
  
発案者:廣山 桜(神奈川県) 
製作責任者:岩原 宏志・川島 英明(からくり創作研究会)
蟻がエサを探す様子をイメージした作品です。
材料に赤みを帯びた楠を用いて地面に見立てました。
地面の上には蟻の巣と砂糖、そして沢山のアリたちが見えます。
おっと、整然と並ぶはずのアリの行列が乱れていますが…?
ところで、引出のつまみを変わった形にしてみました。 木工ではこうした仕口の形を蟻や
蝶に例えることがあります。ちなみに英語ではdovetail(鳩の尾)だとか。
最後に問題です。
蟻がもう1匹隠れているのですが、見つけられますか?


第12回 びっくり大賞  「不思議な引き出し」 
  
発案者:田中 陽介(神奈川県) 
製作責任者:加生 修(からくり創作研究会)
からくり箱としては比較的簡単な、定番の仕掛けで引き出しが開きます。
引き出しが開いたら、ゆっくり引き出して下さい。その時驚くべき結末が待っています。
開ける難しさというよりも、その動きの楽しさを追求しました。
何度でも開けてみたくなる様な作品です。
いかにスムーズに作動するか、かなり試行錯誤しました。

 

第12回 デザイン大賞  「アイロンがけ」 
  
発案者:西川 由理(愛知県) 
製作責任者:亀井 明夫・菊池 靖明(からくり創作研究会)

プラグとアイロンの大きさはデフォルメして表現しています。
アンバランスさをお楽しみください。
引き出しのつまみは可愛らしくボタンのデザインにしてみました。
肝心の仕掛けは…?

アイロンに電気が来ないとアイロンがけは出来ません。
最後に引き出しが開きます。


第12回 お気に入り大賞  「ペンギン箱」 
  
発案者:知久 陽一(神奈川県) 
製作責任者:角田 遥(からくり創作研究会)

ペンギンが氷上を移動する時、滑った方が歩くよりも速いのだとか。
翼を広げて腹ばいで滑ることを「トボガン」というそうです。
なんとも愛らしいその行動がからくり箱になりました。
うまく滑ってくださいね。

2020年からくり箱アイデアコンテスト 審査講評

応募アイデアの第一次審査をさせて頂いた5人の審査員の内の一人、高島直昭です。
このたび入賞されました皆様おめでとうございます。
また、展示された作品に関心を持っていただき投票くださった皆様ありがとうございます。そして、アイデアを現実のからくり箱として仕上げてくださったからくり創作研究会の職人の皆様ありがとうございます。 

このアイデアコンテストも今回で12回目、また、からくり創作研究会の主催で行われるようになって2回目になります。
今年になって新型コロナウィルスの流行が始まり、今回分の応募最終月である3月頃から、感染の拡がりが激しくなるという状況になりました。それにもかかわらず、全国から前回を上回る合計193件という数のアイデアを寄せて頂きました。多くの方々が、からくり箱に関心を持ってくださったことを大変うれしく思っております。

今回は、第一次審査を4月10日に黒瀧(くろたき)應司(おうじ)、坂本忠之、小野澤力(つとむ)、岩原宏志、そして私の5人が小田原に集まって行う予定でしたが、ウィルス感染予防のため予定を変更して審査員が自宅等で個別に審査するという方法としました。その審査結果は、製作を担当されるからくり創作研究会の職人の皆さんによる第二次審査に引き継がれ、最終的に入選作品を決定した次第です。

第一次審査では、応募されたアイデアを、当然ながらどこの誰からの応募作品であるかを知らされずに全部一つずつよく拝見させて頂いて検討しました。応募頂いたのは、完成したからくり箱ではなく、それがどのように動作するのかというアイデアでありました。そこで、第一次審査にあたっては、そのアイデアが、他人のまねではないものであるということだけではなく、それができたら沢山の人が楽しむことができるかどうかも考慮しました。こうして選ばれた作品は、職人の皆さんが、それが本当に製作できるものなのかどうかについての検討も含んだ第二次審査を行って4作品の入選を決め、そして、それを発案者と相談しながらみごとなからくり箱として実現していただきました。

ひとつ、これは毎年申し上げているのですが、入選作品に与えられたいくつもの名前の賞の間には上下の順位はありません。それぞれが、順位の付けられない個性的なすばらしさを持っている作品であります。皆様もその実物に触れて作品のすばらしさ、楽しさを味わっていただきたいと思います。
今回の特徴としては、「不思議な引き出し」のような、驚きのある革新的なアイデアの他に、「アリの行列」、「ペンギン箱」および「アイロンがけ」の3人の若者の作品が入選したことであります。そしてこれらは皆、日常の生活で体験したり、出会ったりした出来事、実物やテレビで観察した生物の活動や家事作業などに着想のヒントを得て巧みにからくり化したと思われます。

これまでの審査でも感じていたのですが、プロではなかなか思いつきにくいような既存のパズルにとらわれないアイデアを出してくださったのが若い皆さんだったことも、このコンテストならではのことだと思います。

また、このような結果を見ると、普段の生活のなかで出会う様々な事柄からすばらしいアイデアが生まれていることがわかります。日頃から身近な出来事に注目することによってすばらしいからくり箱のアイデアのヒントを見つけることができるかも知れません。そのようにして見つけたアイデアを次の機会にまた応募してくださることを期待しています。

もうひとつ、前回は、地元からの応募者の入選がなく、積極的な応募が全国からあったことの反映を思わせたと同時に地元の奮起を期待したのですが、今回は、地元神奈川県の応募者が3名も入選しました。これも今回の特徴であるといえると思います。

なお、このコンテストは、4月1日から翌年3月末日までの1年間を応募期間のひと区切りとする常時募集で、普段から考えているアイデアをいつでも応募できます。これからもこれまでにない新しい、そして楽しいアイデアが寄せられることを期待しています。

最後に、このコンテストを支援くださっておられる多くの皆様方に感謝いたしましてこの審査報告を終えたいと思います。

2020年9月1日 
髙島直昭