
< 第17回 からくり箱アイデアコンテスト入賞作品発表!! >
2025年の入賞作品の発表です! どれもこれも、面白いアイデアばかり!
アイデアコンテストとは・・・
2009年より毎年開催されているコンテストです。
どうにかしないと開かない箱のアイデアを全国から募集し、
入選作品に選ばれたら実際に職人がからくり箱として製作します。
◇第一次審査審査員◇
小野澤力(角田屋物産店)
坂本忠之(ワンダーファイ株式会社)
高島直昭(パズル懇話会)
岩原宏志(からくり創作研究会)
第17回 ワクワク大賞 「風車(ふうしゃ)」
発案者:大村 有梨紗(東京都)
製作責任者:有村 大起(からくり創作研究会)
風車の隣にかわいいチューリップが並んだからくり箱です。
風車は回りそうですが回りません。
あなたの手で風を起こしてください、ただしうちわで扇いでも開きません。
風が吹くとどうなるかがヒントです。
収納は二箇所あります。

第17回 ユニーク大賞 「なぞのこたつ」
発案者:齋須 莉子(福島県)
製作責任者:杉本 昇(からくり創作研究会)
こたつとそれに潜る猫をモチーフにした作品です。
製作したのは春から初夏にかけてでしたが、典型的な日本の冬の室内風景のひとつになっていると思います。
猫とこたつを共有する場合は不用意に脚を入れて反撃をもらわない様にする注意が必要です。

第17回 デザイン大賞 「ひらめき箱」
発案者:岡本 直優(新潟県)
製作責任者:川島 英明(からくり創作研究会)
箱の上部に複数の突起があり、それぞれ左右にスライドできます。
引き出しは前と後ろにあり、仕掛けを解かないと使えません。
さてあなたはひらめけるでしょうか…?
簡単すぎると感じたら、目を閉じてもできるか試してみてください。

第17回 びっくり大賞 「セイウチ」
発案者:飯島 健(神奈川県)
製作責任者:菊池 靖明(からくり創作研究会)
結果、今までありそうで 無かった、ユニークな機構を持つからくり箱が出来上がりました。
このからくり箱が開けられなくても、その動きだけで 楽しんでもらえそうです。
こんなセイウチがいたら面白いですね!

第17回 からくり箱アイデアコンテスト 審査講評
応募アイデアの第一次審査をさせて頂いた4人の審査員の内の一人、高島直昭です。
このたび入賞されました皆様おめでとうございます。
そして、アイデアを現実のからくり箱として仕上げてくださったからくり創作研究会の職人の皆様ありがとうございます。
このアイデアコンテストも今回で17回目、また、からくり創作研究会の主催で行われるようになってから7回目になります。
今回、全国から応募いただいたアイデアの件数は合計211件となりました。
第一次審査は、前回と同じく、坂本忠之、小野澤力(つとむ)、岩原宏志、そして私の4人が審査員として、場所も前回と同じ小田原のからくり工場の一室に集まって討議するという方法で行ないました。この結果は、詳細設計および製作を担当されるからくり創作研究会の職人の皆さんによる第二次審査に引き継がれて入選作品が決まりました。
第一次審査では、応募されたアイデアを、誰の応募作品であるかを知らされずに一つずつよく拝見させて頂いて検討しました。
応募頂いたのは、完成したからくり箱ではなく、それがどのように動作するのかというアイデアでありました。そこで、第一次審査にあたっては、そのアイデアが他人のまねではないものであることや、一筋縄では開けることができないものであるということだけではなく、それができたら沢山の人が楽しむことができるかどうかも考慮しました。こうして選ばれた作品についてからくり創作研究会の職人の皆さんによって、それが、アイデアの趣旨を生かしながら本当に製作できるものなのかどうかについての検討も含んだ第二次審査を行って、4つの作品を選び、それを発案者と相談しながら、みごとなからくり箱として実現していただきました。最初の応募用紙に描かれた作品が、そのアイデアを尊重しながら具体化することによってさらなる魅力が引き出されたからくり箱にできあがっております。
また、それぞれの作品にふさわしい賞の名前を下記のように決めていただきました。
ワクワク大賞:「風車(ふうしゃ)」発案者:大村 有梨紗(東京都)
ユニーク大賞:「なぞのこたつ」発案者:齋須 莉子(福島県)
デザイン大賞:「ひらめき箱」発案者:岡本 直優(新潟県)
びっくり大賞:「セイウチ」発案者:飯島 健(神奈川県)
毎年申し上げていることですが、この入選作品に与えられた賞の間に上下の順位はありません。4つの作品はそれぞれ順位が付けられない異なる魅力があって、革新的で、個性的なすばらしさを持っています。皆様も是非その実物に触れて作品のすばらしさ、楽しさを味わっていただきたいと思います。
これらの入賞作品を見ると、このような魅力的なからくりのアイデアを発想する日頃の心がけがどうあったらいいのかのヒントが隠されているように感じます。
「風車(ふうしゃ)」や「セイウチ」、それに「なぞのこたつ」は、日常生活の中や出かけたところで目に触れた情景や、映像や画像からヒントを得て、なんとかからくりにしてみようとしたのかもしれないと思いました。「ひらめき箱」は、日頃から、箱根に伝わる秘密箱のように純粋に箱を開けるロジックに革新性を求める目をもって思考を積み重ねた結果ではないかと思わせます。
前回も書きましたが、おそらく、このアイデアコンテストの入選作品群は、普段から独創的なアイデアのからくりを作り続けているプロ達にも、よい刺激を与えているものと思われます。
このコンテストは、大人も子供も年齢に関係なく普段から考えているアイデアやふとしたことから思いついたアイデアをいつでも応募できます。これからもこれまでにない新しい、そして楽しいアイデアが寄せられることを期待しています。
なお、これまでは3月末日を応募期間のひと区切りとしておりましたが、次回以降は区切りが12月末日になりますのでご留意下さい。
最後に、このコンテストを支援くださっておられる多くの皆様方に感謝してこの審査報告を終えたいと思います。
2025年8月吉日
髙島直昭
アイデアコンテストのアイデアはいつでも大募集中です!
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みなさまからのご応募お待ちしております!